精密な仕事ぶりに圧倒される!? フィンランドの伝統的織物“リュイユ”に迫る展覧会
現在では、デザイナーと織り手の協業に加え、作家自らが手がけた作品も多く、造形や素材もますます多様化が進んでいる。
本展には、リュイユの個人所蔵家として著名なトゥオマス・ソパネン・コレクションが日本に初上陸。主に1950年代以降に手がけられた重要な作品約40点を展示する。なかにはエヴァ・ブルンメルや、ウフラ=ベアタ・シンベリ=アールストロム、リトヴァ・プオティラなど、リュイユが国際的な評価を得た時期に活躍したデザイナーの代表作も。作品はすべて手織りのもの。特に色彩の美にこだわって集約されているため、一本一本の色糸が点描のように組み合わさった美しいテキスタイルは、まるで北欧の風景を描いた絵画のよう。細部を見て初めてわかる精密な仕事にも圧倒されるはずだ。
アイノ・カヤニエミ《おとぎの国》 2015年 トゥオマス・ソパネン・コレクション
緻密な線の作品で知られる作家カヤニエミの鳥の羽をモチーフにした作品。
エヴァ・ブルンメル《聖霊降臨祭のたきび》 1956年 トゥオマス・ソパネン・コレクション
砂時計をアレンジしたデザイン。砂時計は限られた時間を真面目に生きるという意味で婚礼時などによく用いられた。