黒羽麻璃央、『生きててごめんなさい』は「観た方の背中をポンと叩いてあげられるような映画」
もう少し抑えてとか、ここは怒りの感情を強くとか。そうやって微調整に次ぐ微調整をしながら、何度もリハを重ねました。ただ、役としてはあまり固めていかなかったですね。穂志(もえか)さんが莉奈ちゃんとしてそこにいてくれたので、その場で修一として出てきたものを大事にしようと思ってやりました」
それゆえ、修一が精神的にじわじわと追い詰められていく過程は、「とくにしんどかった」と漏らす。
「ひとつずつは小さなことなんですよね。でも、四方八方から小石が飛んでくるみたいな感じで、チクチク小さな痛みが続いて、気づいたら足元に大きな岩があった、みたいな。撮影後半はぐったりして口数が少なくなっていました。監督に『マジでしんどいです』と話したくらい。
ただ、観た方の背中をポンと叩いてあげられるような映画になっていると思うんです。映画のコピーに『きっと大丈夫。多分。』とありますが、行き詰まったときに、背中を押すんじゃなく寄り添ってくれる感じがいいなと思うんですよね」
修一は、自分を特別な存在だと思っている人間。しかし、黒羽さん自身は、「できるだけ自分の色を強く持たないようにしている」らしい。
「普通に思われたいというか、あまり自分を主張したくないというか…。