くらし情報『中村倫也「怒られてもいいや精神でいろんなことをやりたい」 『ケンジトシ』に挑む』

中村倫也「怒られてもいいや精神でいろんなことをやりたい」 『ケンジトシ』に挑む

シス・カンパニー公演『ケンジトシ』に出演する、中村倫也さんにお話を聞きました。

フィクションの中で描かれる新たな宮沢賢治像を築いてゆく。
中村倫也「怒られてもいいや精神でいろんなことをやりたい」 『ケンジトシ』に挑む


「最初に台本を読んだときは、もうワケわかんなすぎて。それでやろうって思ったんですよ。何も作品の輪郭が見えないし触れない。でも遠くの方に、何かブラックホールのようなちっちゃいものがある気がする。だから稽古が始まるのをずっと楽しみにしてたんです」

その作品というのが舞台『ケンジトシ』。いわゆる宮沢賢治とその妹のトシの物語だけれど、中村倫也さんがそんなふうに言うのもごもっとも。
二人を題材にしながら、そこに元帝国軍人で満州事変の首謀者であり、賢治と同じ法華経信者でもあった石原莞爾と思しき人物が登場し、その第三者の目線から二人の辿った道や彼らの傾倒した法華経、そして信念が語られていくフィクションだ。

「今、稽古に入ってみて、やっぱりブラックホールみたいなものがあるんだなとは思っていて。ただ、それが明確に言葉にできるものではなく、どこか割れないシャボン玉を飛ばしているような感じです。描かれているのが明確なひとつではなくて。宗教観とか死生観みたいなことがベースにありながら、そこに過去と現在、テクノロジーと土着のものから見上げる理想とか、個としてどう生きるかとか、そういった目には見えないいろんなテーマが内包されているんだと思うんです。

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