遅れてやってきた青春模様がほほえましい~男子高校生×女装裏垢おじさんの友情物語
「青春を一緒に過ごしたかった友達とようやく出会えた不動さんは、本来送るべきだった楽しい学生時代を取り戻している感じなんです。なので多少ピュアでもいい気がして(笑)。良くんに関しては、今の10代、20代はジェンダー問題に小さい頃から触れてきて、フラットな社会に慣れている人が多いのかなって思いもありつつ、こういう子がいたらいいなという理想も入っています」
ふたりは“映え飯友達”として、気になる店を巡る仲になり、やがて良の友達も交えて遊ぶように。その間、SNS上では裏垢の身バレの危機や、匂わせ疑惑が持ち上がったりするものの、遅れてやってきた青春に戸惑いながら、新しい世界に飛び込んでいく不動の姿がほほえましい。
「年の差の友情を描く上では、踏み込みすぎないことを大事にしているかもしれません。相手が困っているサインを出したら、助けに行くけれども、質問はしすぎない。ベタベタしないけど、いつ会っても楽しくいられる存在というイメージです」
BL作品のファンを多く持つ藤峰式さんだが、この物語では作者自身も新鮮な感覚を味わっているそう。
「ゆっくり距離が縮まっていく関係を、丁寧に描けることが楽しいです。