茅島成美「私のこの顔は、私の人生の積み重ね」“年相応でありたい”と思うようになったワケ
この先も、ありのままを受け入れながら年を取っていきたいです。
好きなことを一つ持つ。それが人生を支えます。
私は戦中戦後を生きてきた世代ですが、そんな私からしても今は大変な時代です。世界ではウクライナ戦争があり、日本は一生懸命働いてもお給料が全然上がらない厳しい社会になってしまった。私の大学生と高校生の孫にもよく言うんですが、なにか一つ、“私はこうなりたい、こうありたい”と思うものを持ってほしいし、それを捨てないでほしい。なにか辛いことがあったときに、きっとそれが、自分を支える糧になると思うんです。私にとってはたぶんお芝居がそれだったんだなと、今振り返って思います。
私が20~30代を生きた時代と比べると、今は情報が多いし、世界はとても複雑になっていますよね。だからこそ、ときにはスマホから指を離して、思考を単純化することも大事な気がします。人生はどんどん長くなっているからこそ、たまにはスピードを落としてみては?80歳の私からできるアドバイスは、そんな感じでしょうか。
かやしま・なるみ俳優。1942年生まれ、東京都出身。子役を経て17歳で東映ニューフェイス6期生として映画界へ。代表作に『3年B組金八先生』『大好き!五つ子』など。