藤間爽子、舞台『ハムレット』は「俳優と舞踊の両方を活かせるのですごく嬉しい」
その後も演劇部に入って主役をやったり。小さい頃って、褒められるとその気になる。その延長ですよね。家族が喜ぶ姿を見るのが嬉しかったんです。一方、日本舞踊は、私の中では習い事の一環。最初に自分の意思でやりたいと思ったのはお芝居なんです。
――人前で演じるという部分では共通していますよね。
藤間:だから、日本舞踊の舞台に立つことも嫌いではなかったですよ。
おそらく、もともと人前で何かをやってみせることに抵抗はないというか好きだったんでしょうね。
――ただ、「演じるのが好き」から「俳優になろう」までには、大きな壁があると思うんですが。
藤間:本当に…そうですよね。やっぱりお仕事になると違いますよね。
――それでも背中を押したのは?
藤間:祖母(初代の藤間紫さん)が亡くなったことが大きかったと思います。この先、舞踊をやっていくんだろうと思いながらも、周りが就職活動をしている中、自分は何も動かないでいいのかという葛藤があって。そんな時にふと、ずっとやってみたかった俳優への想いが湧き上がって、今しかないのかなって。認められたかったんでしょうね。
舞踊はできて当たり前でしょっていうのがどこかあるから、自分の力でつかみ取ったもので認められたかったんだと思います。