構想10年以上! モンゴル帝国を揺るがす女性たちを描く『天幕のジャードゥーガル』が話題
「ドレゲネはファーティマというイスラム教徒の女性から意見を操られていた、などと歴史書には結構悪しざまに書かれています。だけど裏を返せば、侍女が国を操っていたという話は、マンガ的にも想像の膨らむ余地があって面白いと思いました」
2巻では、ファーティマとドレゲネの運命的な出会い、ファーティマ同様、モンゴルを憎むドレゲネの過去、チンギス・カン亡き後のパワーバランスの変化などが描かれ、いよいよ本編が動き出した感がある。
「話作りも、作画も時間がかかるのですが、調べ物をしている時間が一番長いかもしれません。この論文にヒントがありそうだけど、今から取り寄せていたら間に合わないから、国会図書館に行ってみようとか、そんなことの繰り返しです。絵に関しては、残っている中世の写本が平面的だったりするので、あえてそういったリアリティに寄らない描き方を真似してみたりもしています」
多くの人にとって未知の世界の物語が、こうして注目されることには素直に驚きと喜びを感じている。
「私が面白いと感じたことをそのまま描けば、きっと面白いと感じてくれるはずだと思っていましたが、こんなに共有できていいの!?という気持ちです(笑)。