くらし情報『本好きの間で刊行前から話題に! 「R‐18文学賞」受賞作含む『成瀬は天下を取りにいく』』

本好きの間で刊行前から話題に! 「R‐18文学賞」受賞作含む『成瀬は天下を取りにいく』

もちろん成瀬のキャラクターも好きですが、私がいちばんうらやましかったのは島崎みたいな友達がいることです。10代20代の未熟な時期、ただ一緒にいることを友情としたり、それもお互い厳しいことは言わないようにして平穏を保ったりしますよね。だからよけいに、厳しいことも言うけれど基本的に成瀬を全肯定してくれる島崎みたいな存在が私も欲しかったです」

最終話「ときめき江州(ごうしゅう)音頭」は、怖いものなしの成瀬に、初めての逆境が訪れるというストーリー。

「成瀬にとっていちばん耐えがたいことは何かと考えたら、ああいう展開になりました」

また、作中では琵琶湖の観光船「ミシガン」ほか実在の名称も登場。滋賀という土地が魅力的に描かれる。

「私は実は『びわ湖アンバサダー』でして(笑)。私自身がミシガンには何度も乗っているんです。描写にはその経験が生きています」

本書は、そんなローカル愛に満ちた、新たな滋賀文学でもある。


『成瀬は天下を取りにいく』作中に登場する〈ときめき坂〉は大津市実在の場所(他のときめき小学校やときめき夏祭りは架空のもの)。6編からなる連作短編集だ。新潮社1705円

本好きの間で刊行前から話題に! 「R‐18文学賞」受賞作含む『成瀬は天下を取りにいく』


みやじま・みな1983年、静岡県生まれ。

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