黒木華「どうすれば相手に伝わるのだろうと神経を使いました」 『せかいのおきく』でモノクロ映画初挑戦!
黒木さんにとっては、阪本監督とはこれが初タッグになる。
「監督は、基本的にお芝居は自由に任せてくださいました。おきくは悲しい目に遭いますが、それでも前を向いて進んでいく強い女性です。はっきりものを言いますし、監督からはおきゃんな感じでと言われました。(阪本監督は)関西人なので、ユーモアのあるシーンでは面白がって、もっと何かないかなと追求されるんです。矢亮(やすけ/池松壮亮)の手を振り払うシーンでは『ピシャッ』と口で言いながらやってみてとおっしゃられて、実際にそれが使われました(笑)」
中次と矢亮のやりとりには現代言葉もときおり織り交ぜるなど、軽妙さをリアルに表現。新しい時代劇の薫りを感じさせた。
「中次と矢亮のシーンは本当に素敵ですよね!桶を背負いながら競走したり、口喧嘩したり、いかにも男子という感じで(笑)。
あの友情関係がすごく好きでした」
もうひとつの大きな魅力はおきくと中次の淡い恋。阪本監督は、監督作30本目にして、若者の恋や青春を初めて撮った。「こんなキュンとする成分が自分のなかにあったんだと撮りながら驚いた」と自ら語っている。
「中次の不器用さといいますか、まっすぐなところが胸にきますよね。