若手たちが“制約”を逆手に取って生み出したホラーゲーム『SILENT HILL』誕生秘話
ノイズインダストリアルという音楽ジャンルに影響されてまして、実際に音楽でも容量が足りなかったことでミニマルループを作ることに。制約を逆手に取って生まれたアイデアがホラーと相性のいい要素となっています。
――ビジュアルでいうと『SIREN』に登場する人の顔の怖さも話題になりました。
外山:リアルな顔を描くほどのパワーはPS2にもなく、そこで『パーフェクトダーク』というゲームのモブ敵の気持ち悪さを思い出しました。実際の人の顔写真をテクスチャーにして、表情変化をブレンドしたらリアルになるかと思ったら、すごく不気味に(笑)。『SIREN2』のキャラになるとだいぶ整っているのですが、少し歪なほうがお客さんの心に残っていて、ゲームの面白さであり難しさでもあると思っています。
――それぞれの作品の世界観は、どのように構築していきましたか。
外山:まずホラーでいうと、子どもの頃に見ていた横溝正史シリーズの、フィルムの質感とテレビのおぼつかない感じが合わさった恐ろしさとか、心霊やUFO特番を見て感じた変なところにつながっていくような怖さの影響はあると思います。
『SILENT HILL』に関しては、何かとそっくりでもなく、誰も知らないものでもない、みんなが見落としているようなものがないかと考え、思い出したのがスティーヴン・キングです。