若手たちが“制約”を逆手に取って生み出したホラーゲーム『SILENT HILL』誕生秘話
学生時代、ビデオ屋でバイトをしていた時、彼の原作コーナーにある『キャリー』や『シャイニング』が、地味だけど人気があるという印象が残っていて、ゲームであんな感じのものはないかもなと。何者でもない普通のおじさんが主人公とか、影響がモロに出ています。『SIREN』は、ラヴクラフトの小説を日本を舞台に翻案した『インスマスを覆う影』を起点に、『屍鬼』『バトル・ロワイアル』などの群像劇の影響で生まれました。『GRAVITY DAZE』の場合は、少し違って。ホラーを手がける前に憧れていたバンド・デシネ(フランス語圏独自の漫画)の作家メビウスのような作品を作りたいという思いがありました。
――なかでも『SIREN』はシナリオが複雑ですが、どのように物語を構築したのですか?
外山:まずはキャラクターで、当時の2ちゃんねるの怖い話で話題になっていたマウンテンバイクというハンドルネームの少年などをモデルに。そして、年表というかタイムテーブルを書きました。劇中以前のことも含め、“この人は何年に何をしているか”と遡って書き出していくと、“この二人はすでに出会ってるかもしれない”“こういう決定的な出来事があったのかも”など、発見があるんですね。