大量のCMで意見を誘導する可能性も…「改憲の国民投票CM規制」を考える
意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「改憲の国民投票CM規制」です。
自分の意見を持つために憲法を多角的に知ろう。
衆院憲法審査会で議論されているのが、国民投票のCM規制です。選挙に関しては、公平を期するために公職選挙法で厳しく運用を定められていますが、国民投票に対しては規制がかけられていません。
憲法改正国民投票法では、最大180日間の運動期間のうち、投票の14日前からテレビやラジオの有料広告を流すことを禁じています。しかし、それまでは回数も広告費も制限がないので、お金を持っている政党であれば、大量のCMをうち、自分たちに有利な意見に誘導できるのではないかと問題になっています。またインターネット広告に関しては規制の対象外です。
自民党や公明党はこの件には消極的。また、民放連も広告収入に大きく関わることですから、規制には後ろ向きです。法規制の必要性を強く主張しているのは立憲民主党で、与野党の溝はなかなか埋まりません。
世界では、国民投票のCM規制に関しては、各政党が主張を発信する「均等配分」の制度を設けている国が多いです。