妖怪や化け猫が登場する世界へ…大人も夢中になる絵本作家・石黒亜矢子の展覧会が開催
いま小さな子どもから大人にまで大人気の絵本作家、石黒亜矢子さん。これまで手掛けた絵本を中心とした展覧会「石黒亜矢子展 ばけものぞろぞろ ばけねこぞろぞろ」が、満を持して開催される。
大人も夢中!異世界の住人たちの自由奔放な絵物語。
石黒さんといえば、独自のキャラクターを描き込む熱量が圧倒的。それゆえ引き込まれる人も多いだろう。
「石黒さんの作品には妖怪、化け猫、不思議な生き物たちなど、私たちのDNAに刻み込まれているモチーフが現代的なセンスでダイナミックに描かれています。パッと目を引くフォルム、異世界の恐ろしさや不気味さをちょっぴり感じさせるキャラクターたちが面白く、かわいらしい。巧まざるユーモアも魅力です」
と世田谷文学館学芸員の瀬川ゆきさん。
また一枚の絵として眺めたときの楽しさについてこう語る。
「脇役やモブ(その他大勢)も含めて、絵の隅々まで細かい設定のもと描き込まれているので、つい背景にある物語を読み解きたくなってしまうのです」
和紙に筆で描くのが石黒さん流だが、印刷では伝わりにくい「毛筆の線のふくよかさやキレ」はぜひ会場で自分の目で確かめてほしいと瀬川さん。そのほか本番の別バージョンというべき迫力を持つ下絵の展示や、ぬいぐるみ作家・今井昌代さんとのちょっと変わった仕掛けのコラボレーションコーナーもお楽しみだ。