くらし情報『フランス年金改革反対デモを受け、堀潤「日本がいかに安く働かされているかがよくわかる」』

フランス年金改革反対デモを受け、堀潤「日本がいかに安く働かされているかがよくわかる」

意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「フランス年金改革反対デモ」です。

日本と似て非なる年金問題と最低賃金状況。
フランス年金改革反対デモを受け、堀潤「日本がいかに安く働かされているかがよくわかる」


1月より、フランスで年金改革に反対するストライキや抗議デモが続いています。この抗議運動は、年金支給開始の年齢を62歳から64歳に引き上げる改革法案が出されてから広がり、3月20日に強行採択された直後には、フランス全土で約110万人がデモに参加しました。日本では、警察官との衝突やパリ市内にあふれる大量のゴミなどの様子が報道されましたが、僕が現地で実際に見たのは、ほとんどが平和的な抗議運動でした。

フランスも日本と同様に、高齢化により社会保障費が増大しています。2006年以降、貿易収支は赤字が続いており、稼ぐ力が弱まっています。
財政が赤字に転じてしまうのを避けるための対策として、マクロン政権はここ数年、年金改革案を掲げていました。

賃金が上がらず生活が苦しいというと、日本と同じ状況に見えますが、全く異なるのは、フランスでは物価変動に合わせて賃金を引き上げる制度があることです。ただ、同じ比率で上がっても、苦しい状態は続きます。

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