コシノジュンコ「私のものづくりのコンセプトはずっと〈対極〉」
ポジティブ思考と好奇心が、人生を楽しくします。
今年の3月、トレーニング中にアキレス腱を断裂してしまいました。手術をしたものの、しばらくは動けないし歩けない。でも、こういうときこそおしゃれをしようと思い、無理を言って真っ黒な車椅子を探してもらい(笑)、私らしい療養生活を送りました。断裂したその瞬間は、「なんで私がこんな目に?!」と思いましたが、根本的に私は物事をマイナーに考えないタイプ。実は私、救急車も入院も、この年で初めてだったんです。療養生活のおかげで、街に、人に、自分自身に、新しい気づきがたくさんあった。ネガティブになりそうなときこそ先入観にとらわれず、前向きに、好奇心を忘れないことが大事だと思います。
ちなみにコロナ禍初期の外出禁止令が出ていた時期は、ここぞとばかりに絵をたくさん描きました。高校生のときの“画家になりたい”という夢が、今頃になって叶った!あの2か月は、これまでの人生の中で一番忙しく、精力的だったかもしれません(笑)。
コシノジュンコデザイナー。大阪府出身。19歳でデザイナーの登竜門といわれる「装苑賞」を受賞し、1978年パリコレクション初参加。以降、世界的に活躍をする。