新作『CLOSE/クロース』主演は、ルーカス・ドン監督が電車で声をかけた少年だった!?
13歳のレオとレミは、双子のように仲良しだ。中学生になったレオは、級友のからかいをきっかけにレミと距離を置き始め…。初長編『GIRL/ガール』で注目されたルーカス・ドン監督の新作『CLOSE/クロース』は、無垢な少年たちの友情の崩壊と悲劇、そして再生を描く。監督自身の体験を盛り込んだという。
ジェンダー規範は、人間の可能性を潰してしまう。
「故郷にある小学校を訪れた際に当時の思い出が蘇った。女々しいとからかわれることが多かった僕は、思春期を迎えると男友達との交友に不安を感じ始めた。自分自身のことが怖くなったし、友情の親密性にも怖気づいたんだ。
突き放した友人もいて、罪悪感や怒りが長らく僕について回ったよ。映画を通して当時の不安を探求したいと思ったし、同じ思いを心の奥に隠した人たちの目を覚まさせたい気持ちもあったよ」
心理学者ニオベ・ウェイの調査やイーユン・リーの著作『理由のない場所』にも触発された監督は、前作で組んだアンジェロ・タイセンスと共同で脚本を執筆。縦社会の縮図である学校での振る舞い方を覚えるレオと自分を貫くレミの両方に監督自身を投影させ、思春期の少年の心模様を繊細に描き出している。