奥平大兼「これまでの監督や役者さんと、別の作品で再会するのが目標」
映画『MOTHER マザー』の少年役をはじめ、数々の映画で存在感を示す奥平大兼さん。全身全霊で役に飛び込むような演技で作品ごとにイメージを更新する…。そんな天才俳優の素顔を写真家の表萌々花さんが捉えました。
下町の路地裏を、サンダル履きでぶらぶら。日常感あふれる“撮影散歩”をリラックスモードで楽しんでくれた奥平大兼さん。
「カッコつけるのは苦手だから、こういう自然な感じはすごく心地いいです」
デビュー4年目にして数々の賞を受ける映画界期待の新星。そんな高評価をよそに、役作りは自問自答の繰り返しだ。
「映画の撮影は1年くらいかかるので、その間ずっと『これでいいのかな』の連続。そういうときは一人で抱えず、不安や迷いも含めて一緒に作っている方々の意見をしっかり聞きます。撮影時間には限りがあるけれど、そこで妥協したら観る人に絶対伝わるから」
真摯な役作りの原点は、2020年、世界的な評価を受けた映画『MOTHER マザー』。
「この作品ですごく注目をしていただいて、ありがたいことに褒められることが多くなって。
半面、指摘してくれる人が減ってしまった。撮影でもOKは出てもちょっと違うなと感じることもあったので、以来クランクインの際に『違うと思ったらすぐ言ってください』と、周りの方にお願いするようになりました。