ディズニーのレジェンドアニメーターが明かす、愛され続けるキャラクターを生み出す魔法
スタジオでは、とくに2人の偉大なアニメーターからディズニー・アニメーションの神髄を受け継いだという。
「『シンデレラ』などを手がけていたエリック・ラーソンとマーク・デイヴィスです。エリック・ラーソンは特別な感性を持っていて、キャラクターに個性や誠実さを吹き込むことに長けているアニメーター。彼が私のメンターとなり、約6年にわたっていろいろと教えてくださいました。一方、マーク・デイヴィスは、“ドラフト・マン”と呼ばれるほど絵を描く才能に秀でています。彼と直接仕事をする機会はありませんでしたが、彼からプリンセスの担当を引き継いだこともあり、たくさんのインスピレーションを受けました」
確かに、ディズニー・アニメーションのキャラクターは個性が立っていて、だからこそ魅力的。でも、どうしたらそれを表現できるのだろう。そう尋ねると、マークさんは「それが魔法の一部なのです」と微笑みながら、インスピレーションの源を教えてくれた。
「アーティストとして行うのは、世の中や人々をよく観察する、ということです。例えばエリック・ラーソンは『ピノキオ』で猫のフィガロを担当した時に、キャラクターを作り上げるうえで、彼の甥っ子を参考にしたといいます。