ディズニーのレジェンドアニメーターが明かす、愛され続けるキャラクターを生み出す魔法
アニメーターは単純に絵を描くということだけでなく、キャラクターに演技をさせることも重要です。そのためにはどんな個性を持ったキャラクターなのか、それぞれに見極め、表現していく必要があります。ウォルト・ディズニー自身も『白雪姫』に登場する7人のこびとを、全く同じ性格にしてもよかったはずなのに、そうしなかったわけですよね。それはウォルトが7人それぞれに個性があるということを大切にしていた表れでもありますし、キャラクターへのアプローチの仕方として、今に繋がるディズニー・アニメーションの基礎的な哲学になっています」
とくにマークさんが手がけてきたようなプリンセスたちは、その時代を生きる世界中の女性の夢や希望、そして励みとなり、愛され続けている。プリンセスを描くにあたり、キャラクターの価値観のアップデートなど、何か意識していることはあるのだろうか。
「主人公であるプリンセスたちは、常に魅力的に描く必要があり、それはいつの時代も変わりません。ただ、時代とともに変わってきたこともあって、それは、初期のプリンセスは今と違って“反応的”な姿勢だったということです。まず彼女たちに何かが起こって、それに対して行動していく。