King Gnuのアートワークでも活躍! 佐野凜由輔「自分が究極と思える作品を生み出したい」
僕も子どもの時から絵を描くのはずっと好きだったし、いつかこんな作品が描けたらいいなと思うようになりました」
それから少しして出合った、現代美術家の村上隆さんの大作「五百羅漢図」にも圧倒された。
「文化の同級生は優秀な人が多かったので、何もない自分に引け目を感じていたところがあって。でも村上さんの五百羅漢図を観た時、息をのむほどの衝撃を受けたと同時に、自分にもできると思った。へたくそでしたけど、人と違う絵を描いてきた自覚はあったから」
文化服装学院を卒業後、バイトをしながら自己流で制作を続けた。
「今思えば、技術はもちろん、気持ちも中途半端だった」と佐野さん。「ニューヨークに行けば、どうにかなるかも」。そんな期待を込めて渡米し、つてを頼ってとある日本人画家の助手をしながら、アートの本場で3か月間過ごした。
「その時の僕はキャンバスも知らないド素人。
いろいろお世話して教えていただいて、しかもその方の作品が高額でバンバン売れていくのを間近で体験できたのは大きな財産です。僕の作品も見てくれて、はっきり『ダサいね』と(笑)。なんでそう感じたかも細かく言ってくれて、『ちゃんとキャンバスで作品を作ったら?』と」