King Gnuのアートワークでも活躍! 佐野凜由輔「自分が究極と思える作品を生み出したい」
そういう意味でも、制作に没頭できるこの環境が自分を鍛えてくれると思っています」
作品が売れた時は死ぬほど嬉しいし、絵で家族を養えていることが本当に幸せと、佐野さんは衒いなく言う。最終目標は世界で認められること。そのためには、「なぜ描くのか」という根源的な問いや西洋美術の文脈と向き合うことも必要になると感じている。
「正直、僕には作品を通して表現したいことや思いがないんです。自分が究極と思える作品を生み出したい一心なので。でも海外では、なぜこれを描いたか、社会的に何を発信したいかがとても重要と聞いて。僕の場合、いろいろ考えることがノイズになってしまうから、少しずつやっていくつもりです。とにかく今は作品を作りまくってテクニックとオリジナリティを磨き上げることを優先したい」
今秋、故郷・札幌のモエレ沼公園で展覧会を開く。
初めて自らプロデュースも手がけ、5m超の特大作品も展示予定という。
「イサム・ノグチがデザインした公園だから海外の人にも興味を持ってもらえそうですよね。誰かひとりにでも響いたら、分岐点になるかもしれない。楽しみですね」
アートのスタンダードの外で、もがきながら力のある作品をひとつひとつ生み出している佐野さん。