ナチス戦犯・アイヒマンの火葬に関わった少年とは何者か…明かされる極秘計画の真相【映画】
監督僕自身もこの話は聞いたことがなかったし、取り組むにあたってこれまで描かれてもいなかったことに気が付きました。最初は、本作にも登場するホロコーストのサバイバーである板金工をメインにした物語にしようかと考えたのですが、リサーチをするなかで出会ったのがダヴィッド少年。現在の彼と直接会って話を聞いているうちに、興味をそそられるようになりました。
ちなみに、彼は過去に自身の話を新聞社に持ち込んだことがあるそうですが、当時工場に働いていた人たちがその場に子どもがいたことを認めなかったため、取り上げてもらえなかったそうです。僕としてはこの映画を作りたい気持ちが強かったので、本当かどうかを重要視することなく、彼の話を信じることにしました。
―リサーチのなかで、新たに知った事実や驚いたことはありましたか?
監督まず、僕がこの物語に惹かれた理由の1つは、アイヒマンの火葬の計画がとてもカジュアルに話されていたこと。どういうことかというと、本来ならば、秘密警察の人たちが極秘のうちに進めるようなことですが、日中の明るいときに工場で「魚の骨が焼けるかどうか」みたいな話を例に出しながら、担当者同士が軽い感じで話しているんですよね。