ゲームクリエイター・小島秀夫の“全力疾走” 「“物創り”という大きな目的地に向けて」
真っ先にボーディング・ブリッジを駆け抜け、ターミナルビルに!そのつもりだったが、なんと、出口から伸びていたのは、地上へのタラップ?!しかも待機していたのは、数台連結のバス!乗客全員が乗り込むまでバスは出発しない!さらにバスが送り届けてくれたのは、隣のターミナルのA!乗り継ぎ便が待つのはターミナルのB!これはまずい!そう思った時、出口で「TOKYO」のプラカードを持った空港職員の40代くらいのドイツ人女性を発見!
「20分以内でゲートに着かないと乗り遅れます!私について来てください!」と、女性はそう言って唐突に走り出した。「え?走るの?!」。僕は大きなバッグを背負い直して、彼女を真似て“小走り”を始めた。
裏道をショートカットすると思いきや、そうではなかった。彼女は正規のルートを、一定のスピードを保ったまま進んでいく。走り慣れていない僕には、“小走り”さえもきつい。ただ乗り継ぎには、出入国管理場(パスポート・コントロール)は通過しない。それで時間が稼げる?!だがそこはトラムのホーム。
どうやら、隣のターミナルまでトラムで移動するらしい。彼女は冷静沈着に、「あと10分!」と航空会社と無線連絡を交わしている。