さいはての地から最先端のアートを発信! 画期的な地方創生「奥能登国際芸術祭」の魅力
能登半島の先端に位置する珠洲(すず)市を舞台とする奥能登国際芸術祭。2017年にスタートし、3年に一度開催される本祭は、アーティストが珠洲という場所に根差した表現をすることで注目を集めてきた。
卓球はコミュニケーションツールだと考えた作家による一枚石の卓球台。浅葉克己〈日本〉「石の卓球台第3号」Photo:Kichiro Okamura
珠洲市は三方を海に囲まれた、まさにさいはての地。奈良時代には日本を訪問した異国の渤海使(ぼっかいし)が到来。また江戸時代には、北前船の発祥地としても知られる日本海の海上交通の要所でもあった。かつて日本海に開かれた“先端”だった歴史があり、祭りや食をはじめとする豊かな文化が今も残されている。培われてきた歴史や文化に視点を向ければ、未来を開く場所になるという発想が、この芸術祭の出発点になっている。
3回目となる今回は、世界の14の国と地域から59組のアーティストが参加。会場には10のエリアがあり、それぞれが持つ独自の祭りや文化、歴史にちなんだアートが展示される。例えば、日本海の荒波に侵食された岩礁が多く存在する大谷エリアは、揚げ浜式製塩が500年以上前から継承されてきた。