『テルマエ・ロマエ』主人公ルシウスが案内人に! 「テルマエ展」の見どころは?
下層民が住むのは高層の集合住宅で、住空間は極めて狭く、水道もなければ台所や風呂の設備もなかった。皇帝たちは貧困にあえぐ大衆のストレスを解消すべく、娯楽を提供する。そのひとつであるテルマエは、大衆からの人気を得るのに大いに役立ち、何人もの皇帝がローマに巨大なテルマエを建設した。
一方、日本の風呂が清めの場として仏教とともに寺院に広まったのが6世紀頃。江戸時代には町中に湯屋が誕生し、現代の入浴スタイルが定着する。本展では日本の入浴に関する美術品や資料も展示。古代ローマ人に劣らない日本人の風呂好きの歴史も見どころのひとつだ。
大規模なテルマエには、皇帝や浴場の建設者の肖像のほか、神々の像や古代ギリシャの有名作品のコピーなど数多くの大理石彫刻が飾られていた。
《恥じらいのヴィーナス(ウェヌス・プディカ)》1世紀 ナポリ国立考古学博物館蔵 Photo©Luciano and Marco Pedicini
古代ローマ時代の富裕層の暮らしを描いている。饗宴を催すことができたのは、家に台所があり奴隷がいる者だけだった。
《ヘタイラ(遊女)のいる饗宴》1世紀 ナポリ国立考古学博物館蔵 Photo©Luciano and Marco Pedicini
豊富に温泉の湧く日本では、古くから地域の温泉が住民に利用されてきた。