2023年9月27日 20:00
クレイジーな天才ファッションデザイナーの素顔とは…世界を熱狂させた舞台の裏側に迫る
でも、それはよくするための過程であり、そのプロセスによって素晴らしいものが生まれていくというのがわかりいました。
バックステージだけでなく、内面も撮ることができた
―撮影に関しても、ご本人から指示されるようなことはありましたか?
監督僕に対しては、クレイジーな要望はありませんでしたね(笑)。というのも、僕が用いているドキュメンタリーの手法というのは、対象者に介入せずにありのままをずっと撮っていく方法だからです。
そんななかで印象に残っているのは、彼が自分のクレイジーさに気がつく瞬間。それは映画のなかでも見ることができますが、靴のせいで足首を痛めてしまったダンサーに対して、「申し訳なかった」と謝ったときです。自分自身で行き過ぎていることに気づき、クレイジーな欲求にもリミットがあること彼は知ったようでした。
―そういった普段ではなかなか見ることができないような瞬間もカメラに収められていますが、どのように撮影を行ったのかを教えてください。
監督ドキュメンタリー作家として、自分の強みだと思っているのは、対象者と長い時間をともに過ごして撮影を行うこと。
僕の場合、6カ月未満で撮ることはありません。