北欧デザインの巨匠を支えた2人の妻…知られざる愛の物語が明かされる【映画】
と。戦争があったり、海外に行くのに何週間もかかったりする厳しい時代のなかでも、あれだけ素晴らしい作品を残していたので、こんなことで文句を言っている場合じゃないなと思い直しています。
―日本の働く女性たちにも、そのあたりは響くところかなと。
監督そうかもしれないですね。ただ、アイノの時代は自宅兼オフィスのなかで働いていたり、料理や子どもの世話を手伝ってくれる人を雇っていたりしたので、そういう意味ではわりと両立しやすい環境にあったとは言えると思います。それに比べて、いまの私たちは、なかなかそういう状況にできる人のほうが少ないと思うので。
あと、2人目の妻エリッサについては、アイノとはまた別の重要な役割を担っていたので、そのあたりも見ていただけたらいいなと。アイノの死後、アアルトは壊滅的とも言えるくらい精神的なダメージを受けていましたが、エリッサとの出会いで輝きを取り戻し、もう一度建築に向き合う力を得られたのです。
彼女は事務所も切り盛りしていたので、晩年のアアルトが設計に専念できたのはエリッサのおかげと言えると思います。
日本とフィンランドには似ている部分があると感じる
―では、日本についての印象もお聞かせください。