池松壮亮「若葉竜也くんには特別な感情を抱いている」初共演の思いを語る
好きなものに理由は付けないようにしている
―また、本作を通して改めてご家族のことを考えたのではないかなと思うのですが、ご自身にとって家族の存在とは?
池松さん今回のように疑似家族を作りあげるというのは、意識的にも無意識的にも自分の記憶や人生を持ち寄るような行為でもあるので、全然会えていない妹のことや、いつかいなくなってしまうであろう父親のことなど、考えていたと思います。
本作では、花子がすべてを信じられなくなったときに、最後の頼みの綱としてダメな家族に会いに行き、自分を肯定してもらえる場所を取り戻すという構図ですが、仮に家族でなくてもそういったことがこれからの時代も当たり前の希望としてあってほしいなと思います。
若葉さん僕は生まれ育った場所が大衆演劇だったので、本番が始まると父親は師匠になり、兄弟はライバルになるという環境でした。なので、たまに家族で外食に行くと照れくさくて…。そういう居心地の悪さみたいなものをケンカのシーンを撮影しているときに思い出しました。
池松さん自分の家族が好きだということに理由があるかと言われると難しいですが、そういう理屈を超えたところに本来は生きる指針があるのかなとも思います。