日本の貧困女性のリアルを描く…趣里主演、人気ルポルタージュ原作のドラマ
高羽:陰の要素を陰にしすぎない、でも、ちゃんと陰を伝える力がある役者さんですよね。小柄だけど、摩子の踏ん張って生きている感じを出せるのは、趣里さんならでは。
青木:祐二を演じる三浦貴大さんとのコンビぶりも共演経験が豊富なので、最初から本当に息ぴったり。1話のカラオケボックスのシーンの摩子と祐二の絡みもすごく面白いし。
高羽:凄惨な現実を真摯に伝えるだけでなく、ふたりが生き生きとしていて、ちょっとチャーミングなところもあっていいかなぁと。
青木:もちろんいい絡みです。最初は衝突してしまうふたりが、どんどんバディ感が出てくるのもいい。
高羽:じつはバディものということを意識して書きました。
少しずつ信頼を寄せていって、仲間になっていって。最後には複雑な過去を持つ祐二が摩子に弱音を吐けるまでになっていく。ふたりの関係性を追いたくなる仕掛けです。そしてこのドラマは、どこかにいるかわいそうな人たちの話ではない。当事者意識を持てるきっかけになったらいいですね。
青木:自分はどうなんだろう?皆は大丈夫?…って。今作を描くにあたって、僕が大事にしたかったのは“繋がり”。今SNSで繋がっている人たちが、自分がピンチに陥っても助けてくれるのかという恐怖って誰しも抱えていると思います。