巨匠アキ・カウリスマキの新ヒロインに抜擢「日本には不思議な縁を感じている」と語る理由
でも、映画に出てくるサラダは、ホワイト派のプロデューサー自身が作ったからホワイトになっています。私はグリーンのほうが好きなんですけどね!
―サラダひとつにそんな背景があるとは驚きです。現場でもカウリスマキ監督ならでは演出などもありましたか?
アルマさん私の人生で経験した現場のなかでも、一番静かな現場だったと思います。というのも、アキのチームは何十年も一緒に仕事をしているスタッフばかりなので、もはや話さなくてもわかる関係性。たとえば、口笛で合図するだけで誰かが動いたり、ほかの人にはわからない“秘密の合言葉”でうなずき合っていたりするようなとても不思議な現場でした。あと、アキは絵画を描くように構図を決めてから照明や小道具など時間をかけて作り上げていくタイプの監督なので、集中力の高さや細かいこだわりがとにかくすごかったですね。
孤独と愛というのは、表裏一体だと感じている
―今回、カウリスマキ監督が復帰した理由については、「無意味でバカげた犯罪である戦争に嫌気がさして、愛や連帯、希望などをテーマにした物語を描くことにした」と話されていますが、アルマさんは不器用な2人によるラブストーリーをどう感じましたか?
アルマさん「他人を気遣う思いや相手にシンパシーを抱く気持ちには強い力があるんだ」