二分化する世界…日本は“欧米”と“中国・ロシア”を繋ぐ役割を求められている?
中国は入っていませんが、中国との関係を念頭に緩やかな貿易枠組みを作ることが目的。IPEF基金を作り、環境対策や新しい産業の創出に役立てようとしています。日本はこの基金に約14億円を拠出予定です。
これまで日本は全てアメリカに倣うイメージがありましたが、ガザの問題では違うスタンスを示しました。G7がイスラエル擁護を訴えるなか、他の6か国が作った共同声明に日本は参加しなかったのです。安保理の11月の一時的な休戦決議案にアメリカは棄権しましたが、日本は賛成を表明。アメリカと違う意見を明示したことは、これまでの日本とは違うというメッセージ性があります。日本にとって中国は重要な貿易相手国ですし、地政学的にはロシアとも近い距離にあり、エネルギーの多くはアラブ諸国に頼っています。
経済的にも安全保障の側面からも、どの国とも良い関係を保ち、経済交流をしなければ日本は生き残れません。
5月には広島でG7サミットが開かれ、世界に平和のメッセージを発信しました。G7の首長が広島平和記念資料館を訪れ、花を手向けました。諸外国に日本が被爆国であることが強く刻まれた。これを機に平和的人道支援国家として、中間的な立場を取りやすくなると思います。