思わずほろり…グレた高校生が“後悔”を機に成長する物語『マイ・リグレット』
お金のない人でもツケ払いで食事ができるとうわさの千田食堂。その善意は本当で、タダめしにありつけると、水津竜丸らグレた3人の男子高校生たちのたまり場に。千田おじいさんの優しさに触れるほど、おじいさんに憎まれ口を叩くようになる竜丸。そんなある日、食堂の扉が閉まっていて…。優しさを掛け違いながらも互いに関わり、成長していく人たちの物語『マイ・リグレット』に、ほろりとする。その著者が砂糖野しおんさん。
後悔から立ち直ることはできる。そんな希望を抱かせてくれる感動作。
「やさぐれ主人公に、強烈な後悔を植え付けることから始めたいと思ったんです。“食べること”は生きるのに必要不可欠な欲求であり、年頃の少年たちが集まる十分な理由になると考えたんです。そこから食堂という案を思いつきました。返す当てもないツケ払いでごはんを食べ、罪悪感を覚えながらも千田おじいさんの優しさから抜けられなくなり、罪悪感を抱えたまま優しい居場所だけを突然失う…。言ってみれば自業自得だけれど心痛い始まりは、この物語でしか描けなかったと思います」
千田おじいさんには、繊細すぎて社会になじめず、引きこもってしまった孫の千田涼介がいる。