『SPY×FAMILY』劇場版監督「観るたびに新しい発見があると思う」 制作秘話を明かす
今回のインタビューの中で、片桐さんの口からは、“プレッシャーが大きかった”という言葉が何度も出たのが印象的だった。
「そうですね、本当に。正直言うと、プレッシャーしかなかったです(笑)。しかもスタッフの中で僕は一番若手だったので、他の方より経験も乏しいわけです。TVシリーズのときは助監督で、監督から指示を受け、それを形にするために動く、という立場だったのが、劇場版ではその指揮系統が逆になった。まずはそれがとても難しかったです。とはいえ、シナリオが完成したとき、その内容に手ごたえを感じて、“自分はこれから、こんなすごい作品に携われるんだ…!!”という喜びがとにかく大きかった。これを映像化できれば絶対いいものは作れる、と思えたので、それを支えに頑張りました(笑)」
アニメーション作品は非常に細かい分業から成り立っており、特に劇場版となると、作画スタッフだけでも何百人も関わっているそう。
絵コンテや設定資料といった、その作品の「取扱説明書」を作り、上がってきたものが説明書どおりになっているかを確認するのが、アニメーション作品における監督の仕事、と片桐さん。「この作品を監督する上でまず自分が一番に考えたのは、TVシリーズと同じ品質のものを作る、ということ。