『SPY×FAMILY』劇場版監督「観るたびに新しい発見があると思う」 制作秘話を明かす
「みんながこの作品のファンだからこそ、“私が思うアーニャはこう”というのを皆さんそれぞれが持っていて、それぞれの愛が良い意味で重い(笑)。皆さんが愛を込めて作った断片を集約し、そこから何を選び、どうまとめるのかを判断するのが監督の仕事なのですが、それが本当に難しかった。愛が大きすぎても“『SPY×FAMILY』らしさ”を超えてしまうことになるので、そのへんのコントロールをかなり意識はしながら作っていたと思います」
片桐さんの言葉の端々に、一緒に仕事をするスタッフへの気遣いと感謝が溢れていたことがとても印象的。
「アニメーションは作品ごとにスタッフが集まりチームが作られるわけで、毎回のスタッフィングごとに“その作品にとっての大事なこと”は異なります。僕は、監督として譲れない何かを持つ、ということよりも、チームに集まったスタッフが何をしたいのかをすくい上げ、それを実現しやすい環境を作ることが大事だと思っていて。作品が出来上がったとき、ファンの方に楽しんでもらいたいのはもちろんですが、同時に作り手たちにとって手ごたえがあるものを目指したい。そういう作品作りができたらいいな、と思います」