三浦宏規「子供が仮面ライダーに憧れるように、僕は熊川哲也さんに憧れた」 バレエとの出合い
その後、ミュージカル『レ・ミゼラブル』でグランドミュージカルに進出すると、またたく間に多数の作品で主演を務めるまでに。バレエを基礎とした優雅な所作や颯爽とした佇まいで、舞台に上がればひときわ目を惹く。しかし逆に、「それが足枷になることもある」のだとか。
「昨年、舞台『キングダム』で、主人公の信を演じましたが、これが野生児みたいなキャラクター。言ってみたら、バレエ的な動きなんてもっともいらないわけです。姿勢が良すぎるから、わざと猫背にしてみるんだけど、幼少期から身についているものってなかなか崩せないんですよね。ガサツに見えるよう研究してやっていましたが、慣れない動きでカラダへの負担が大きく、怪我しやすいので、結構苦労しました」
それでも、身寄りのない貧しい奴隷から、不屈の精神と機敏さで国を支える武将を目指す青年・信を、軽やかな身のこなしとパッションとで泥くさく演じ、しっかりと実績に。そもそも、役の出自や感情を、言葉ではなくカラダや踊りで伝える表現は、幼い頃からずっとやってきたことだ。
「たしかにずっとカラダでの表現と向き合ってきてはいるんですよね。どんな作品でも、役を立ち上げていくときには、基本的にまずどんな歩き方をする人なのかを考えるタイプですし」