くらし情報『ナイツ・塙宣之「僕らの時代でなくしてしまうのはいや」 漫才協会会長としての想い』

ナイツ・塙宣之「僕らの時代でなくしてしまうのはいや」 漫才協会会長としての想い

でも思っていた師匠と弟子の関係性と違って、別に鞄持ちや住み込みといったこともなく、他の師匠たちも優しくて。今思うとすごく守られていた感じはありますね。

――不本意な形で浅草に行った塙さんが、昨年漫才協会の会長になり、今回映画『漫才協会 THE MOVIE~舞台の上の懲りない面々~』の監督まで務められた。これまたどんな心境の変化が…?

塙:“浅草の漫才”という文化がなくなっちゃうのはいやだなっていうのはありますね。僕は相撲が好きなんですが、今でも江戸時代と変わらない形でやっている、あの様式美が好きなんです。浅草の漫才にも同じ様式美を感じます。それを僕らの時代でなくしてしまうのはいやなんです。僕らの少し上の世代から、お笑いをやりたいならまずNSCなどの養成所に入るのが当たり前になったので、師匠に弟子入りする人がもういない。
そうすると、師弟制度で成り立っていた劇場は、出る人が本当に誰もいなくなってしまうわけです。でも、70歳くらいの漫才師がいっぱい出る劇場があることって、たぶん大事なことだと思うんですよ。そのためには僕ら世代を増やしていくのが一番いい。だからハマカーンとか磁石、三拍子を誘って、協会に入ってもらったんですよね。

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