地方公務員の受験者数減少…やりがいを感じやすくなる「半官半X」の働き方も?
一方で、活気のある地方自治体もあります。北海道の上士幌(かみしほろ)町では、全国最年少主査や最年少課長など、若手に権限を与え働き方改革をしたところ、周辺から「上士幌町役場で働きたい」と若い人材が集まるようになりました。島根県の海士(あま)町では「半官半X」という、半分役場で働き、半分は民間で地域に還元する働き方を導入しています。農業、漁業、福祉、教育、芸術など、地域のためになることなら何をしても構いません。ずっと役場の中だけにいては気づきにくい当事者意識を、業務時間内に外に出ることで体験、交流し、地域に役立てたいという発想です。職員にとっては、やりがいを感じやすくなるでしょうし、半官半Xのような取り組みは他の自治体も取り入れたらよいのではないかと思います。
どの自治体なら活躍できるのか、透明性を高めて、外部の目が入ると内部改革が進み、働きやすい環境になるかもしれません。地方公務員の方々が活躍できることが地域の活性や防災にとって重要です。
受験者数を増やすことより、職員の方がやりがいを持てる環境づくりをすることが先決でしょう。
ほり・じゅんジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」