ローカル企業の育成なくして日本経済の復活はナシ!? 株価上昇と暮らしの関係
企業がなかなか賃金を上げられなかった理由の一つは、給料を上げると社会保険料の負担も増えてしまうからです。売り上げが落ち、給料を支払えない状況に陥っても社会保険料の請求は続きますので、中小企業の経営者は簡単には賃上げすることができません。そんななか、大分県と群馬県は自治体が企業に奨励金や補助金を出し、物価上昇を上回る賃上げに成功しました。いま国がやるべき政策は、消費税の免除や、社会保険料をいったん凍結するなど、市民の負担感を減らし、豊かさを実感させることだと思います。
株価が上がるというのは、会社の財政の健全性や、その事業に対する将来性を見込まれたということです。ただ、いま日本企業の株が海外投資家に買われているのは、「安いから」という理由もあります。せっかく日本株が買われているのだから、大企業は国内に投資をして、雇用を生み、従業員の賃金が上がる流れを作ってほしいと、国も経済界もリクエストしています。足元のローカル企業を育成しなければ、日本の経済は復活しませんし、将来的な成長も見込めないでしょう。
ほり・じゅんジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」