tofubeats「AIを楽曲制作にどう取り入れるかって今後の音楽家のひとつの課題だと思う」
かつてすべてのボーカルを自身で務めた意欲作はあったものの、アルバムごとにバラエティに富んだ客演を招き、そのシナジーの面白さをひとつの魅力としてきたtofubeatsの作品。しかし、今回の新しいEPはひと味違う。タイトル『NOBODY』の通り、このアルバムで歌う人は“誰でもない”。
色のないAIの歌声が今の気分に合ってました。
「今回、Synthesizer Vという歌声合成ソフトを使い、歌唱はすべてその声に担ってもらっています。ディープラーニング機能があり、人の歌声を学習し、より人間らしく歌唱ができる〈歌うAI〉。“めっちゃすごい初音ミク”と思ってもらえば間違いないです(笑)」
サウンドは全編を通して、tofubeatsがここ数年で極めた濃密なハウスミュージックが通底。無機質だけれど、なぜか感傷的にもポップにも響く“機械の声”はダンスフロアとの相性も良さそうだ。
「誰かに歌っていただく場合どうしてもその人に合った曲や歌詞にしないと、と考えてしまう。でも、相手がソフトなら何の色もついてないし、自分の中にイメージもない。だからどんな曲も試せる。ちょっとエモすぎる温度高めの歌詞を乗せても、さらっと歌ってくれる感じが今の気分に合ってました。