恋愛、仕事、出産への焦燥感…高学歴女子あるある物語『東大の三姉妹』
比成子は、文芸バーで働く元東大生の悠人とつきあっているが、10年越しの関係性が宙ぶらりんすぎて、身動きが取れない。
「堅実なエリートに見えて、大胆な行動に出る世利ちゃんみたいなタイプを描くのは初めて。内面的にはいちばん秘めた爆弾を持っていそうで、面白いです。比成ちゃんは、ただでさえ面倒くさそうなテレビの世界にいて、うまくいってもミスしても『東大だから』と当てこすられやすくはあるんですよね。波風避けるために、合わせることを覚えていった人なのかなという気がしました」
姉妹だけでなく、彼女らの恋愛相手のキャラクターデザインも魅力的で、物語を盛り上げる。
「メガネ男子は好物なので、岸里は、最後に食べるショートケーキのいちごのように大切に取っておいて描きます(笑)。一理や悠人にもファンがいるみたいでうれしいです」
気になる伏線が張り巡らされ、ページを繰る手が止まらない。
「学歴が高くても低くても、女性たちは何かしらの圧を受ける社会にいますよね。
三姉妹を含め、女性たちの努力が報われて幸せになれるといいなと思いながら描いています」
実地子や一理、さらに彼女たちの母親が抱える“事情”や“悩み”が見えてくるのは2巻以降だ。