松井玲奈「エッセイの“秘密を共有させてもらう喜び”を感じてもらえたら」 2冊目のエッセイ集を上梓
小説を書くときは、松井玲奈という人間を感じてもらいたくなく、いつもの自分からまったく離れた物語を書く。一方エッセイは、それを通じて自分を知ってほしい気持ちを込め、“半径5m程度の世界”を書く。本の中に綴られる、頑なで少し不器用、でも自分なりに楽しく毎日を過ごす松井さんの姿に、同世代の女性は共感すること間違いない。
「誰かのエッセイを読んでいると、その人の日記の一部をこそっと見せてもらっている感じがして、そこには“秘密を共有させてもらう喜び”があると思うんです。私のエッセイを読んでくださる人も、そんなふうに感じてくれたら…と思います」
自身に起きた出来事や心の動きをまっすぐに見つめ、内側から、そして時には俯瞰で自分自身を分析し、文章にする。1つのエッセイの中で、自分を切り取る視点が変化していくところがとてもユニークだ。
「本になり、改めて読んで気がついたのですが、結果的に、いま私が何を考えそしてこの先どう進んでいきたいのかということにフォーカスをしたエッセイ集になったな、と思っています。でも、現在や未来のことを考えていると、『じゃああのとき私はどうだったんだろう』と過去を振り返りたくなることもある。