不思議を語るにはぴったりな場所“古都鎌倉”で繰り広げられる“猫”にまつわる怪異譚
五十嵐大介さんによる、コミック『かまくらBAKE猫倶楽部』をご紹介します。
不思議が不思議を呼ぶ……古都鎌倉で始まった猫の百物語。
「今度のマンガは身近な題材で描きたいと思っていました。その点、鎌倉には10年以上住んでいますし、猫は描くのも楽しいので。何年か前に飼っていた猫が亡くなったのですが、自分の中でいろいろ整理するにはいいかな、という思いもありました」
五十嵐大介さんの最新作はタイトルにもある通り、「鎌倉」と「猫」がモチーフの物語。そして「BAKE」が意味するのは……。
「怪異というほどでもないですけど、ちょっと不思議なことも私にとっては意外と身近な感覚で、それも含めて鎌倉らしさなのかもしれません」
鎌倉の出版社に勤める有紗は猫雑貨店「かまくら猫倶楽部」で、いつもリモートワークをしている。この店には、ガクトとマヤという2人の従業員がいて、有紗は彼らのことを猫なのではないかと疑っている。
そして、いなくなった猫と会えると噂の「化猫倶楽部」と勘違いした人々が、たびたび店を訪れる。そこは実在するかどうかも怪しいのだが、「かまくら猫倶楽部」で猫にまつわる不思議な話をすると辿り着けるらしい、というガクトの口車に乗せられ、人々はさまざまな話を語り出す。