「日本は戦争とは無縁の平和な国」とは言い切れない? 堀潤が現状を解説
意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「戦争の記憶」です。
戦争は終わった過去ではない。現在に目を向けて。
6月23日は沖縄慰霊の日です。太平洋戦争の末期、沖縄では日本国内で唯一、地上戦が繰り広げられ、日米で約20万人が命を落としました。そのうちの9万4000人は子供たちを含む一般市民でした。二度と悲劇を繰り返さないために、沖縄県では沖縄戦の実質的な終結日に当たる6月23日を、平和を祈る日として「慰霊の日」に制定しました。
毎年この日には戦没者の追悼式が行われ、戦争の記憶をなくさないために、当時を知る人のコメントが多く報道されます。しかし、報道の現場で実感するのは、過去の戦争を伝えることに集中するあまり、肝心の平和実現に向けた対話や歩みを止めてしまっているのではないか、ということです。
沖縄には米軍基地があります。そして、現在世界では、ウクライナやガザをはじめ各地で戦争が起きています。普段、なかなか報道されることはありませんが、沖縄の米軍基地からは、多くの戦闘機や艦艇が出航し、戦地に武器が投入されています。
国際連合は第二次世界大戦の戦勝国によって作られました。