人権重視の欧州で「AI規制法」が成立、グローバルスタンダードになる可能性も
これはEU法の中でも、かなり重い制裁金です。
ヨーロッパは、民主主義国家としての歴史も長く、人権を何より重視しています。「データは個人のもの」という大前提があり、政府や企業は個人情報を「お借りする」というスタンスです。ですから、個人を守るために、個人情報をもとに活用される生成AIにいち早く規制をかけたのは当然の動きでした。これに対して、アメリカは市場競争が優先され、「国家が規制することは自由に反する」という考え。生成AIに関しても、まずは自由にやらせて問題が生じたら後から規制する姿勢をとっています。日本は米国型なので、ネットの規制も遅れています。
チャットGPTを運営するオープンAIは、4月にアジア拠点として日本に事務所を置きました。
規制が厳しくなく、AI研究・開発のしやすい国と判断されたからです。しかし、日本では個人情報流出のニュースが後を絶ちません。EUの規制法はグローバルスタンダードになる可能性があり、日本も厳しいリスク管理を迫られています。
ほり・じゅんジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX月~金曜7:00~8:30)