折坂悠太「これまでで一番自分自身が出たアルバムになった」 約3年ぶりの4thアルバム
折坂悠太さんの約3年ぶりのアルバム『呪文』はしとやかで哀愁漂うフォーキーな「スペル」から始まる。
自分の中にある鬱屈とした感情を開かれた音楽にしたい。
「『スペル』は生活を送る中で到底受け入れ難いことや自分の中にある認めたくない感情を整理する際に、『自分はこっちなんだ』って頑張って舵を切るよりも、今の自分の状態をまず認めるところから始める気持ちが描かれています。コロナ禍は目に見えないものに対する感性を鋭くしなければいけない時期で、頭で考える部分が増えたことによって、前作の『心理』は言葉を中心に考えて作ったアルバムになりました。『呪文』は身体的に反射神経を大事にしようと思って作った曲が多いアルバムです。『スペル』の歌詞には“ディダバディ”という、よくわからないけれど自分としては『それ以外の言葉が見つからない』と感じた言葉が使われています。制作の終盤にこの曲ができたことで、理論よりも直感的な感覚を大事にしたいと思ったところがあります」
また、シティポップ調のサウンドの中、語りのパートが入る「ハチス」で全ての子供を守ることが願われていたり、音数の少ないアンサンブルの中で歌が際立つ「正気」