人生の軌跡!? アーティスト・みうらじゅん、収集人生の集大成ともいうべき展覧会
だからいかにして自分を洗脳していったか、の過程を紹介している内容なんです。例えばワニ。僕は目に付いたあらゆるワニグッズを買い集めました。ゴルフに全く興味ないのにラコステも買いました(笑)。当然ワニブームの時は着るとテンション上がるから。それには金も時間もかけないとなかなか自分を騙せない」
ここまでして収集&発表を繰り返すのは、「それが僕の仕事だから」と彼は語る。本来の自分の意向や、断捨離、終活などという風潮はガン無視して、アーティスト・みうらじゅんは、それを使命としてきた。
「僕ね、ある時から好き嫌いをやめたんです。
気になったものの中には嫌いな要素も含まれるけれど、“そこがいいんじゃない”って自分に魔法をかけるんです。例えば、地方で1時間に1本しか来ないバスに乗り遅れたとします。その時、時刻表ならぬ“地獄表”と思い込むんです。ならば、ここよりもっと悲惨な地獄表があるに違いないと。次の旅に出た時には1日1本だけなんていう地獄表も発見したりして、それが好きだという感覚に変わってゆくんです。紆余曲折がないと、脳はモノを好きになれないんじゃないですかね」
かくして惚れ込んできた展示物を見て、彼は観覧者に「マイ価値観」