デンマークで2026年から女性の徴兵制が開始。まだ議論が必要な点も?
意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「女性の徴兵制」です。
世界の潮流を見ながら、国防について考えよう。
今年3月、デンマークは2026年から女性の徴兵制を開始する軍事改革計画を発表しました。兵役期間は男女ともに現在の4か月から11か月に延長。メッテ・フレデリクセン首相は「完全な男女平等」を達成しようとしていると発言。これは、ロシアのウクライナ侵攻により、緊張が高まっていることが背景にあります。
女性の徴兵制は、ノルウェーとスウェーデンではすでに始まっており、台湾や韓国でも議題に上がっています。
女性の徴兵が拡大することによる影響について、2つの見方が出ています。一つは女性が加わることにより、軍が人道支援やケアなど、柔和な側面が主体となる組織に変わっていくのではないかという楽観論。もう一つは、軍の行いの正当性を強化し、より暴力的な方向に進むのではないかという悲観論です。イラク戦争中、アメリカ軍がアブグレイブ刑務所でイラク人収容者を拷問・虐待していた事件が発覚しました。女性兵士が笑顔で虐待する写真が公になり、世界を震撼させました。