クジャクを例にモテない男子を一刀両断!? 前代未聞の“生物学ラブコメ”が痛快
当事者だと冷静に判断できない物事でも、別のことに置き換えると格段にわかりやすくなることがある。小出もと貴さんの『あくまでクジャクの話です。』は、人間関係でありがちな悩みや不満を生物学的視点から読み解いていくのだが…。
動物を知れば人間もわかる!?前代未聞の生物学ラブコメ。
「この作品はリチャード・ドーキンス博士の『利己的な遺伝子』という書籍に感銘を受けた結果、生まれました。生物学は人間の感情や営みやその他すべてのことに答えを示す学問なのかもしれないと思い、人間の生(なま)の感情を描きやすいモチーフとなり得るのかなと思ったのです」
1巻の冒頭、高校教師の久慈は付き合って間もない彼女に浮気をされる。子どもの頃から色白&華奢で「男としてイケてない」というコンプレックスを抱いてきた半面、ジェンダーフリーとされる現代に望みを託していたが、現実はうまくいかず。
「生物学は要所要所で残酷かつ不快な真実を突きつけてくる学問なので、久慈先生は読者に寄り添う一般的で優しいキャラとして描いています」
そんな久慈の前に、モデルでインフルエンサーの超優等生女子・阿加埜(あかの)が現れ、生物学部の顧問になるよう迫る。