監視の目を広げるというのは大きな意味がある…堀潤の「パレスチナ、イスラエル取材報告」
意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「パレスチナ、イスラエル取材報告」です。
大きな主語でなく各々で起きていることに注視しよう。
パレスチナ自治区ガザの痛ましいニュースが連日報道されています。ただ、同様のことはガザ以外でも起きています。先日、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸のジェニンに取材に行ってきました。ここは2000年代初めにジェニンの虐殺が行われ、昨年10月のハマスによるイスラエル攻撃ののちは、500名以上のパレスチナ市民が亡くなり、7000名以上が拘束されています。ジェニンの難民キャンプ周辺は砂埃が舞い、病院に続く道路はアスファルトを剥がされていました。
救急車両の行く手も阻まれますし、雨になるとぬかるんで車輪がはまってしまいます。
街中にはレストランも市場もあり、普通に機能しているように見えますが、たびたびドローン攻撃を受け、不自然に破壊された建物がありました。ビルの上層階からスナイパーで無差別に市民が狙われ殺されています。街を案内してくれた元自治体職員のヨセフさんは、ジェニンの実情を伝える報道機関がないので、市民ジャーナリストを育成したいと話していました。