竹内まりや「時代が変わっても、世代が違っても、人の心に普遍的にある心境を歌詞にしたい」
だからこそ、難しくない、誰でも知っている簡単な言葉を使うんだと思います。
曲を作るときは、まずリズムを考え、次にコード展開を決め、そこにメロディをつけながら曲の構造を決め、全体が見えたら、最後に歌詞を書く。フォークっぽい曲にしたいなと思ったら、人生を描くような歌詞にしようとか、ロッカバラードだったら恋心を歌おうかとか、曲調に合わせて歌詞の世界を考えるのがすごく楽しい。ちょっと言葉遊びっぽいところがありますね。8割程度歌詞が埋まったら、足りないところにどんな言葉を入れるかを選ぶんですが、そこからはまさに言葉のジグソーパズル。言葉をはめて歌って、取り換えて歌って…の面白さと、最後のピースがピッタリはまった瞬間に感じる“できた!”という達成感。それが欲しくて曲を書いているようなところもありますね。
言葉との距離感1
私はとにかく、平易な言葉で書きたい。
誰が聴いても同じ感覚で受け止められる言葉で。
難しい言葉や、リスナーに説明が必要な言葉で歌うのは、私の役割ではないと思っています。19歳の人が聴いても85歳の人が聴いても、同じように捉えてもらえるシンプルな言葉の中に、深みを探したいし、そういう日本語が、私には似合うのでは、と思います。